はじめに
昨夜の急落、肝を冷やした方も多いのではないでしょうか。チャートモニターの向こう側で、多くのトレーダーが息を呑む音が聞こえてくるようでした。年末年始の「サンタラリー」の熱狂が冷めやらぬ中、いきなり冷や水を浴びせられた気分ですよね。
でも、あえてプロの視点から言わせてください。「待ってました」と。
この調整こそが、私たちが待ち望んでいた最高の「ギフト」なんです。
相場の世界には、「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち…」という有名な格言がありますよね。今の市場心理を見てください。昨夜の下げだけで「もう天井だ」「バブル崩壊だ」なんて声が聞こえ始めました。これこそが、まだ相場が「懐疑」のフェーズ、あるいは成熟の手前にある証拠です。
私たち個人投資家にとって、ニュースのヘッドラインやアナリストの予想なんてただのノイズです。真実はすべて、目の前のチャートの中にあります。
ダウ理論が示すトレンドの定義、エリオット波動が描くシナリオ、そしてICT(Inner Circle Trader)が解き明かす機関投資家の足跡。これらを組み合わせれば、市場の「感情」ではなく、冷徹な「構造」が見えてきます。
今回分析する Nasdaq 100 (US100) と 日経225先物 (NIY1!) は、まさに今、その構造的な分岐点に差し掛かっています。多くの人が恐怖でポジションを手放したその場所で、機関投資家はどこで拾おうとしているのか? その答えを、ロジックを使って一緒に紐解いていきましょう。
これは単なる予想ではありません。相場の波に乗り、リスクを限定し、利益を最大化するための「航海図」です。
準備はいいですか? 深遠なるテクニカル分析の世界へようこそ。
エグゼクティブ・サマリーと分析手法の定義
本投稿は、チャート画像と市場データに基づき、US100およびNIY1!の徹底的な分析を行ったものです。目的はシンプル。ノイズを排除し、再現性の高い「勝てるセットアップ」を見つけること。
私の分析では、以下の3段階の厳格な「トリアージ(選別)」を行います。これらをクリアしない限り、大切なお金をリスクに晒すことはありません。
- 環境認識 (Dow Theory):まずは週足レベルでのトレンド判定。トレンドが不明確だったり、どっちつかずのレンジ相場なら、この時点で見送ります(NO TRADE)。
- セットアップ (Elliott Wave Principle):次に日足・4時間足レベルでの波動認識。推進波(第3波、第5波)だけを狙い撃ちします。調整波がどこまで押すか、フィボナッチ比率で厳密に測ります。
- トリガー (ICT Concepts):最後に1時間足レベルでの執行判断。機関投資家のアルゴリズムが反応するFVG(Fair Value Gap)やOB(Order Block)、そしてストップ狩り(Liquidity Sweep)をシグナルにします。
この3つのフィルターを全て通過したものだけが、私たちが資金を投じるに値する「高勝率セットアップ」となるのです。
銘柄別詳細分析
US100 (Nasdaq 100)
現在価格: 25,570ドル近辺
分析日時: 2026年1月7日
AIブームの主役として2025年を駆け抜けたNasdaq 100。2026年もその支配力は健在です。ただ、直近の動きは調整色を強めており、迷っている方も多いはず。テクニカルのメスを入れて、この動きを解剖してみましょう。
環境認識(週足トレンド判定)
手法: ダウ理論
参照: Image 1 (Weekly Chart)

週足チャートを見ると、文句なしの上昇トレンドです。
- 高値の切り上げ: 直近の最高値(2025年12月)は、前の戻り高値をきっちり超えています。右肩上がりの強気チャネルの中を綺麗に推移していますね。
- 安値の切り上げ: 2025年11月の安値(約23,854ドル)が重要なサポートとして機能しており、ダウ理論的にトレンド継続は明白です。
- 移動平均線: 20週から200週までのSMAがすべて上向き。価格もこれらの上にあり、長期的な買い圧力は相当強いです。
判定: 上昇トレンド (UP)
戦略: ロング(買い)のみ検討。ここでショートを考えるのは、走行中の列車に正面から挑むようなものです。
セットアップ(日足・4時間足 エリオット波動)
手法: 推進波の特定
参照: Image 2 (Daily), Image 3 (4H)


日足レベルでの現在地確認、ここが一番重要です。
- 波動の文脈:2025年11月の安値(23,854ドル)から始まった上昇波動の中にいます。12月の高値(25,835ドル)までを「第1波」としましょう。
- 現在の調整:そこから12月中旬にかけて24,647ドルまで下がりました。
- 上昇幅: 1,981ドル
- 下落幅: 1,188ドル
- リトレースメント率: 約60.0%
私たちの基本ルールでは「第2波の調整は61.8%以上」が理想ですが、実績値は約60%。1.8%足りませんが、強い相場では61.8%の手前で買いが入る(フロントランニング)ことはよくあります。
その後、1月2日には25,597ドルまで上昇し、すでに次の波が始まっている可能性が高いです。
現在はその25,597ドルからの「押し目(Sub-wave 2)」、もしくは高値圏での保ち合い(フラッグ)を作っています。
週足トレンドがあまりに強いため、深い押し(61.8%)を待っていると置いていかれるリスクがあります。ここは「上昇フラッグ」と見て、第5波狙いのロジックを適用しましょう。
- 狙うべき押し目:直近上昇(24,647ドル→25,597ドル)に対する調整幅を見ます。
- 38.2%押し: 25,234ドル
- 50.0%押し: 25,122ドル
- 61.8%押し: 25,010ドル
結論: 今の価格(25,570ドル)で飛び乗るのは早すぎます。リスクリワードが悪くなるので、せめて 25,234ドル ~ 25,122ドル あたりまで引きつけましょう。我慢です。
初動サインとトリガー(1時間足 ICT)
手法: FVG / Order Block / Liquidity Sweep
参照: Image 4 (1H)

さて、具体的なエントリーの「引き金」を探します。
1時間足を見ると、25,600ドル付近には重たい天井(レジスタンス)があります。一方で、下には美味しいポイントがあります。
- FVG (Fair Value Gap): 25,150ドル ~ 25,250ドル付近に、埋められていない「窓(Gap)」があります。
- Order Block (OB): 1月初頭の急騰前に作られた最後の陰線(強気オーダーブロック)が 25,100ドル ~ 25,200ドル にあります。ここは機関投資家が買いポジションを仕込んだ場所。価格が戻ってくれば、彼らが全力で守りに来る(買い支える)可能性が高いゾーンです。
根拠の重なり(コンフルエンス):
- フィボナッチ50%戻し(25,122ドル)
- 1時間足 強気OB(25,100-25,200ドル)
- FVGの下限
- 心理的節目である25,000ドルがすぐ下にある
トレードプラン:
現在価格から300~400ドルほどの調整を待ちます。価格が25,150ドルエリアに突っ込み、一瞬下に抜ける動き(ストップ狩り)を見せた後、1時間足の実体で再度25,150ドルを上回って確定した瞬間。そこがエントリーの合図です。
利確と損切の運用
- 利確 (TP):
- TP1 (50%決済): 直近高値の25,600ドル。ここで半分利食いして、残りは建値にストップを移動。これで負けはありません。
- TP2 (最終目標): 26,180ドル。過去最高値付近であり、フィボナッチ・エクステンション1.618倍のターゲットです。
- 損切 (SL):
- 設定値: 24,950ドル。
- 理由: 61.8%戻しのライン(25,010ドル)と心理的節目の25,000ドルを明確に割ったら、フラッグのシナリオは崩壊です。潔く撤退しましょう。
リスクリワード (RR): 1 : 4.35。極めて優秀なトレードになります。
NIY1! (日経225先物)
現在価格: 52,000円近辺
分析日時: 2026年1月7日
日経225は、円安や企業改革への期待、AI半導体株への資金流入を追い風に、歴史的な高値圏を走っています。US100よりもさらに「イケイケ」な状態で、典型的なブレイクアウト後の動きですね。
環境認識(週足トレンド判定)
手法: ダウ理論
参照: Image 5 (Weekly Chart)

週足は教科書のような上昇トレンド。
- 高値更新: かつての壁だった4万円、5万円を次々突破。直近では51,160円の上限も明確にブレイクして新高値更新中です。
- 安値切り上げ: 押し目も浅く、前の高値がサポートに変わる(ロールリバーサル)綺麗な形。
判定: 上昇トレンド (UP)
戦略: ロング(買い)一択。
セットアップ(日足・4時間足 エリオット波動)
手法: 推進波(第3波)の継続確認
参照: Image 6 (Daily), Image 7 (4H)


現在、最も勢いのある「第3波」の真っ只中にいます。
12月の安値(50,130円 [^13])から始まった上昇が、1月6日に52,523円まで達しました。今は52,000円近辺で少し休憩(横ばい調整)しています。これは第3波の中の小さな調整(副次波4)でしょう。
強い第3波では、調整は浅くなりがちです(38.2%戻しが一般的)。
- 上昇幅: 2,393円
- 38.2%戻し: 51,609円
- 50.0%戻し: 51,327円
ここで注目すべきは、ブレイクアウトしたかつての天井、51,160円 です。
「レジスタンスがサポートに変わる(サポレジ転換)」という基本原則に従えば、51,160円 ~ 51,300円 のゾーンまでの押し目は、絶好の買い場になります。
初動サインとトリガー(1時間足 ICT)
手法: Breaker Block / FVG
参照: Image 8 (1H)

1時間足を見ると、51,500円から急騰した時にできたFVGが 51,400円 ~ 51,600円 に残っています。
さらに、ブレイク前に揉み合った 51,200円 ~ 51,400円 のゾーン。ここは「Breaker Block(ブレイカーブロック)」として機能します。かつて売り手が壁を作っていた場所ですが、突破された今、そこは強力な買い手の拠点に変わっています。
根拠の重なり(コンフルエンス):
- 過去最高値・レンジ上限(51,160円)のロールリバーサル
- フィボナッチ50%戻し(51,327円)
- ICT Breaker Blockへのリテスト
- 4時間足の主要MAが上昇してきて支えてくれる
トレードプラン:
今の52,000円台で飛びつき買いするのはNG(NO TRADE)。高値掴みになります。
価格が 51,300円 ~ 51,450円 のゾーンまで落ちてくるのをじっくり待ちましょう。
このゾーンで、1時間足レベルの「下ヒゲ(Pinbar)」や「包み足(Engulfing)」が出たのを確認して、ロングです。
利確と損切の運用
- 利確 (TP):
- TP1: 直近高値の52,500円。ここで半分利益確定。
- TP2: 波動ターゲットの53,000円。心理的節目であり、オプション市場のポジションも集中しやすい価格です。
- 損切 (SL):
- 設定値: 50,900円。
- 理由: ブレイクの起点となった51,160円や、51,000円の節目を明確に割ったら、このブレイクアウトは「ダマシ」だったと認めるしかありません。即撤退です。
リスクリワード (RR): 1 : 3.2。悪くない勝負です。
全銘柄の分析結果の早見表
以下の表は、ここまでの分析をギュッと凝縮したものです。トレード中のカンニングペーパーとして使ってください。
結論と投資家へのメッセージ
今回の分析で、US100も日経225も「強力な上昇トレンドの中での一時的な休憩」に過ぎないことがはっきりしました。多くの個人投資家がこの下落を怖がっている今こそ、冷静にチャートの構造(Structure)を読み解く力が試されます。
ダウ理論が「こっちだよ」と方向を示し、エリオット波動が「今ここだよ」と現在地を教え、ICTが「今だ!」とエントリーのタイミングを囁いています。
私たちの仕事は「予測」することではありません。「待つ」ことです。
価格が指定された「キルゾーン(Entry Zone)」に来なければ、見送ればいいだけ。無理に戦う必要はありません。
しかし、もし価格がそこに来たなら──。
迷わず引き金を引いてください。チャートは嘘をつきません。
Good Luck and Good Trading.



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